フードクリエーター・パン職人の「TOSAKANMURI FOODS」さんが挑戦する、食とアートの世界2010年08月31日19時30分
TOSAKANMURI FOODS主宰 三田真由(さんだまゆ)さんフードクリエーター、パン職人。京都府出身。武蔵野美術大学を卒業、同大学院修了。舞台美術の小道具製作工房を経て、「食を通してものづくりを表現すること」を目標に、都内のパン屋にて5年間修行。2006年にTOSAKANMURI FOODSを始動し、アトリエでパン屋「tOki dOki」を営むほか、青山の「オルネ ド フォイユ」で焼き菓子の販売、国立の「ニチニチ」で開催されるニチニチ日曜市への出店、ケータリングなど、幅広く活動している。ホームページhttp://www.tosakanmuri.com 美術の世界から、食べもので表現する世界へ
―三田さんは美大を出て、舞台美術のお仕事をされていたんですよね? 大学の時は「ものは生きている」をテーマに、いろいろなものを作っていました。1人では運べないくらい大きい作品も作っていたのですが、家に置けないし、最後にはゴミになってしまって。舞台の小道具なら、必要とされて作るものだからいいんじゃないかと思い、アトリエで働かせていただくことになったんです。小道具といっても、細かいコマ撮りアニメの小道具から、実物大の車や4mくらいある木まで作っていました。でも3年ちょっと経った頃、少し立ち止まって、この先の自分の方向を真剣に考えなきゃと思うようになって。たどり着いたのが食べものでした。作ったものを食べればいいんだと思ったんです(笑)。自分が作ったものに対して、食べることは供養のようなことだと思っていて。 ― そこで初めて、食の世界に入ろうと思ったのですね。 それまで料理は友達に作るくらい。飲食店で働いたこともなかったので、どうやって始めたらいいか分からず、考えているうちにパンに行き着いたんです。父から、「人間が食べられる回数は決まっているから、大事にしろ」と教えられていたこともきっかけとなりました。決断するときは、ずっと丸まって、どうしようって悩みましたね(笑)。
― その後、パン屋で修行することに? パン屋で働こうと決めたとき27歳だったので、正直、どこが入れてくれるんだろうと思いました。「入れてもらえるなら何でもします!」という気持ちで、食パンがおいしくて決めたお店に電話して、面接の次の日から始発の電車に乗って通いました。そのパン屋はフレンチテイストで、サンドイッチも変わっていてパーティー向き。キッシュなどケータリングで作るものの基本は、そこで学びました。カフェも併設されていたので、そこでも料理をして。そのお店で出会った師匠には、今でも困ったことがあったり、レシピに悩んでいるときに確認してもらったりしています。
― パンづくりと料理をそのときに始められたのですね。 両方とも、仕事としては初めて経験しました。接客も初めてで。ケータリングを始められたのも、この経験があったからでしょうね。たまたま大学のときに知り合った方に話をしたら、アパレルの方を紹介してくださって、「ケータリングからやってみたら?」と言われて始めることになったんです。 ―1人で品数の多いケータリングの料理を作るのは、大変そうですね。 頭の中でものすごく考えて、基本から自分なりにアレンジを加えたり、新しくレシピを作ったり。パン屋って数を作らなくてはいけなくて、スピードを要求されるんです。ケータリングも同じものをたくさん作ったり、いかに早く作るかというところは同じ。料理をするときのものの配置など、現場で注意されたことが、ケータリングには本当に役に立っています。 |