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期待の新鋭パティスリークリエイターが生み出す、心に届くお菓子

2010年05月04日12時00分

食育料理研究家藤野真紀子氏の元で6年間アシスタントとして働いた後、フランスに留学。ジャムの妖精ともよばれ、世界中が注目するクリスティーヌ・フェルベール氏のもとで修行を積むなど、まさにお菓子業界高学歴の田中博子さん。そんな田中さんに修行時代のエピソードや今後の目標について、お話をうかがいました。

田中博子(たなか ひろこ)さん

福岡の中村調理師専門学校・製菓技術科を卒業後、横浜のウィーン・フランス菓子店「ノインシュプラーデン」にて勤務。
食育料理研究家である藤野真紀子氏に6年間師事した後フランスに渡り、パリの「レコール・ルノートル」、「ル・コルドン・ブルーパリ校」、プロ向け製菓学校「エコール・ガストロノミック・ベルエ・コンセイユ」などで研修。
その後、アルザス地方にある「メゾン・フェルベール」にて、ジャムの妖精とも呼ばれ、世界中で注目されている クリスティーヌ・フェルベール氏のもとで1年間働き、アルザス地方伝統の菓子や料理、ジャムづくりを学ぶ。
現在は東京と福岡にてお菓子の教室、出張お菓子教室を開催。フルーツケーキの通販、その他雑誌、書籍の撮影に活躍中。

☆公式サイト「RUNWAY Inc.

修行時代は毎日が刺激的。すべての経験が今の私の宝物です…



現在はお菓子のレッスンを地元福岡と東京で
開催。

―パティスリークリエイターという職業を目指したきっかけは?

高校生のとき、藤野真紀子先生のお菓子の本『パリに行って習ったお菓子』に出合い、衝撃を受けたことから始まりました。近所の書店で偶然に出会った一冊の本。お菓子の美しさに魅了され、何度も繰り返し読んでは、フランスに行くことを夢見て。そして、藤野先生の書籍を買っては、お菓子を作って楽しむようになりました。そうしたら(今思うと失敗ばかりで下手でしたが・・)どれも美味しくて、周りの友人や家族も喜んでくれるし、どんどんお菓子の仕事をしたいと考えるようになりました。将来は藤野先生のアシスタントになりたい、と高校2年生のときに決めていました。

―随分早い段階で進路が決まったんですね。卒業後すぐに藤野さんのところへ?

いえ、その夢を実現させるためには、まず菓子店で4年くらいの修行が必要だと思い込んでいた私は、製菓学校を卒業後、横浜の住宅地の中にある菓子店に入社しました。しばらく経ったある日、藤野先生が来店!偶然にも、ご近所にお住まいということがわかり、お散歩中に立ち寄って頂いたり、店員とお客様という関係で、ときどきお話するようになりました。 でも、先生のアシスタントになるには、まだまだ技術が足りないと思っていたので、「自分からアシスタントになりたいのですが…」とは言いませんでした。 それから2年ほど経って、菓子店を退職することを先生にお伝えしたところ、 10年いたベテランのアシスタントさんが産休でお休みするとのこと。人が足りないから、少しお手伝いしてくれないかということでお電話を頂き、アシスタントが始まりました。

―なんだか運命を感じますね。修行時代、一番印象に残っている出来事は?

本当に毎日が刺激的で、どれが特別、というと難しいです。教室だけではなく、雑誌、テレビ、イベント、書籍の撮影等、いろいろなお仕事のアシスタントをさせて頂き、毎日が特別でした。とても勉強になりましたし、楽しみながらお仕事できました。

―その後フランスへ留学されているとのことですが、そのきっかけは?

菓子店と料理研究家の世界の仕事は、同じお菓子の仕事でも役割が全くちがうことを感じていました。もう一度菓子店に戻り、商品を生産する中で、自分の技術を向上させたいと思ったことが理由の一つです。そしてせっかくもう一度菓子店に戻るならば、日本ではなく、フランスの菓子店で働いてみたいと思い、留学を決めました。


(左)レッスンで作ったイチゴジャム。修行先のフェルベールさんのレシピをヒントに、日本の果物向けに田中さんがアレンジ。
(中)レモンタルト。うさぎのクッキーが可愛い。
(右)綺麗な焼き色のシュケット。このまま食べても、ケーキに飾ってもおいしい。

―フランスでは具体的にどのようなことを学びましたか?

日本に和菓子の伝統があるように、フランスにはフランス菓子の伝統があり、人々の生活の中に、そのお菓子がしっかりと息づいていることを感じました。例えば、修行先のアルザスでは、復活際の時期に羊の形をしたビスキュイを食べます。「こんなに売れるのかなあ」と思うくらいの羊の大群が厨房を占領していても、それが夕方にはすっかり店頭からなくなっているから驚きです。

―留学時代、一番印象に残っていることは?

1年間お世話になったメゾン・フェルベールのシェフ、クリスティーヌさんの才能の豊かさ、仕事への厳しさ、愛情の深さです。フランスで働いているときは毎日が無我夢中でしたので、日本に帰ってジャムを作ったり、お菓子を作ったりする度に、修行時代のことが思い出され、「本当にすごい人だなあ」と尊敬の念が募るばかりです。


りんごとすもも(秋姫)のジャム。手前にあるのは、田中さんが
掲載された福岡版読売新聞。
―現在はどのようなお仕事をメインでされていますか?

福岡と東京を行き来しながら、お菓子レッスン、卸し、出張レッスン、商品開発をしています。レッスンだけでなく、販売も兼ねていくことで、表現の幅を広げていきたいと思ってます。

―ご自身でお菓子を作るうえでのこだわりはどんなことですか?

心に届くお菓子を作ることを目指しています。手間をかけるかけない、だけでなく、単純なつくりのお菓子でも気持ちをかけると、驚くほどおいしくなると思っています。<忍耐と愛情を持って>というクリスティーヌさんの言葉を思い出しながら、丁寧に仕事を持続していくことがこだわりです。

―お教室用など、自分以外の方にレシピを教えるとき、何か意識していることはありますか?レシピづくりのコツを教えてください。

お菓子は毎日のお料理と違って、少し手間がかかるだけにつくる側もある程度心構えをすると思うんです。ですからご家庭でつくるとき、あまり気張らず、その方の生活の中へすっと入り込んでいけるような、家庭のフランス菓子を意識しています。また、特別な道具が要らないように、いろいろな型を使ったり、材料を変えてアレンジが楽しめるようなお菓子を考えています。

―今後挑戦してみたいこと、あるいはこういう風になりたいという目標は?

クリスティーヌさんと本を出すことです。往復書簡のような。これは、1年間の修行が終わり、お別れの前の日に、「日本に帰って、将来何をしたいの?」と聞かれ、「将来は本を出したいです」と答えたところ、「私と本を作りましょう」とおっしゃってくださいました。クリスティーヌさんから、次なる目標をもらったような気持ちになりました。そうなるためには、まだまだ感性を磨いていかなくては、と思い、努力の毎日です。

【イベントのお知らせ!】
田中博子さんが、クオカショップ自由が丘にてイベントを行います。
詳細はクオカショップ自由が丘にお問い合わせください。
・日時:5月21日(金)18時開場
・場所:クオカショップ自由が丘
・予約・問合せ:クオカショップ自由が丘


田中博子さんからご提供いただいたレシピ




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